「G-CLOUD magazine 2011 Autumn」が良い感じ
技術評論社様より「G-CLOUD magazine 2011 Autumn」をいただいたので感想をメモメモ。
http://gihyo.jp/book/2011/978-4-7741-4832-8
特集記事が全部で4つあって箇条書きすると、
特集1 国産クラウドをつかおう GMOクラウド Public活用A to Z
特集2 エンタープライズの世界に踏み出すAWS
特集3 Windows Azure Toolkit for iOS を使ってクラウドストレージを利用した写真アプリを作ろう
特集4 2011年のGoogle App Engine ──新機能を生かした開発スタイル
という、とても豪華な陣立て。主要なクラウドベンダー全部載せ、みたいな感じです。
現在のクラウドベンダーの勢いってかなりスゴイ事になっていて、各社、どんどん新サービス、新機能をリリースしつづけています。例えば 特集2の AWS についてですが、P.39 の表3 に「2011年5月〜8月下旬の発表」という図があり、それをみるとわずか4ヶ月足らずで機能追加・変更が「発表されただけで少なくとも」23コあったことがあかります。これは正直ついていくのしんどい。これが「今の」「クラウドベンダー」なので、こういった雑誌で効率良く情報を収集するのはとても良いと思います。
自分なりに気になったところをツラツラ書きましょうか。
AWS は2011年3月からサービスインした東京リージョンの解説が要チェクです。東京リージョンとその他のリージョンで機能面でどういった違いがあるのか、また 3.11 以降どういったニーズが増えているのかが説明されています。東京リージョンと震災の影響で、SIer、ベンダーともにお客さまより関連するお問い合わせをいただくことは多いでしょう。要チェックです。
「Windows Azure Toolkit for iOS を使ってクラウドストレージを利用した写真アプリを作ろう」の記事も楽しいし勉強になりました。@tilfin(http://twitter.com/#!/tilfin)さんが、環境構築、アプリ開発を実際に行い、それと併せて必要になってくる証明書の取得、Azure へのアプリ登録だとかを丁寧に説明しています。丁寧さでいうと、例えば Mac OS を使って開発する場合、使用OSが Snow Leopard であれば iOS Developer Center から、Lion であれば App Store からもDL可能といった情報をしっかり載せるあたり、とても親切です。これを読めば Windows Azure Toolkit for iOS でアプリつくってを公開するまでの流れがひと通りわかるでしょう。お得感があります。
(個人的には、保育園のお父さんお母さんとiPhoneで撮影した写真をどうやって共有すればいいのか悩んでいたので、これあればいいなあと思ったりw)
それと思うのは、Azure に iOSアプリをデプロイできるっていうあたりに、Microsoft の「 Azure チーム」の本気度が感じられますよね。そういうふうに思いました。
「2011年のGoogle App Engine ──新機能を生かした開発スタイル」は冒頭に、これまでプレビューだったGAEが2011年後半ついに「正式リリース」になることが紹介されています。お客さまにとっては、本番業務で使う環境が正式リリースではないというのは、技術者が思っている以上に不安に思うところであったりします。これをきっかけにGAEの利用が加速度的に増えるかもしれません。この機会に GAE の内容をしっかり押さえておく必要があるでしょう。執筆をされているのはGAEのオーソリティでいらっしゃる@shin1ogawa(http://twitter.com/#!/shin1ogawa)さんなので説明がとてもわかりやすいです。この記事の後半はGAE上での開発スタイルについて解説されています。データベース設計の考え方が変わること、テスタビリティが高い SDK が用意されていること(だったら使いますよね)、フレームワークを使用するに当たっての注意点などが解説されています。
それとGoogle 鵜飼さんによる Go Lang の特徴と現状が解説されていますので、こちらも押さえておくと良いかなーと。
執筆陣が豪華で読みやすかったので機会があれば、開発にかかわれる方はなるべく読んでおくのが良いかと思います。
※ もちろんデザイナー系の方も!